TEAM
メンバー紹介
タイ
インドネシア
ディンドン W.S.
スギヤンティ・アリア二
ラウェ・サマガハ
ユスティアンシャ・ルスマナ
演出
坂田ゆかり
1987年東京生まれ。東京藝術大学音楽環境創造科卒業後、全国の劇場で舞台技術スタッフとして研鑽を積む。2014年、アルカサバ・シアター(パレスチナ)との共同創作『羅生門|藪の中』を演出(フェスティバル/トーキョー14)。近年は展覧会という形式に演劇の技術や考え方を応用させる実験を重ねている。建築家ホルヘ・マルティン・ガルシアとの長期プロジェクト『Dear
Gullivers』は、第16回ヴェネチア建築ビエンナーレ(2018)のスペイン館に参加。既存の物語と協働を手段として、地域社会への芸術的介入を試みる。
出演
稲継美保
東京藝術大学在学中より演劇を始め、舞台を中心にフリーランスで活動している。これまでに、サンプル、チェルフィッチュ、岡崎藝術座、ミクニヤナイハラプロジェクト、バストリオ、オフィスマウンテン、東葛スポーツ、坂田ゆかり、篠田千晶、オル太などの作品に出演。また、海外ツアーにも多く参加し、2019年にはポーランドとの国際共同制作で演出家マグダ・シュペフト「オールウェイズカミングホーム」に出演するなど、国内外問わず幅広い役柄をこなし、枠にとらわれない活動を行っている。 2022年よりPARA神保町にて演技を実験的に考える場「演技の教室」を主催している。
音楽
田中教順
1983年生まれ。ドラマー・パーカッショニスト/作曲家。東京藝術大学在学中より演奏活動を行う。
ジャズミュージシャン菊地成孔主宰のdCprG等で活動後、博士号を取得(学術)し、現在「抱きたいリズム」をモットーに世界を旅するリズム大好き大学職員。自身のユニット「未同定」やラテン・ジャズバンド「Septeto Bunga Tropis」などで演奏活動を行っている。
近年はミャンマーの打楽器を主体とした伝統音楽「サインワイン」の研究・習得をミャンマーの国立文化芸術大学にて行っている。ミャンマー音楽の研究で令和2年度科研費若手研究にも採択。
ドラマトゥルク
渡辺真帆
通訳者・翻訳者、ドラマトゥルク。東京外国語大学アラビア語専攻卒業。パレスチナ・ヨルダン川西岸地区留学中に演劇と出会い、坂田ゆかり演出『羅生門|藪の中』に通訳・翻訳で参加。以降、舞台芸術の国際共同制作や来日公演、ワークショップに通訳・字幕翻訳・コーディネート等で関わる。ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック』の翻訳で第12回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。中東・アジア各地に赴きながら、芸術、メディア、国際協力など多分野の人と言葉と協働する。『テラ』初演(2018)からドラマトゥルクで参加し、2020年5月、タイのゴップらと共に「テラジア」発足にかかわる。2022年度ACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)フェロー。
演出
ナルモン・タマプルックサー (愛称:ゴップ)
パフォーマー・演出家・プロデューサー。チェンマイを拠点に、演劇をツールとしてソーシャル・アクティビズムに取り組む。1997年、インドネシア・ニューヨーク・台湾・インドなどの演劇人と「International
WOW Company」を設立。World Artist for Tibet、Arts Against
War、ニューヨークダンスシアターの「メコンプロジェクト」など、様々な芸術イベントの芸術監督、コーディネーターを務める。野田秀樹作・演出『赤鬼』(97年初演 シアタートラム)出演。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』出演。『モバイル』(2007年 ネセサリーステージ制作 シアタートラム)出演。2014年、劇団印象『匂衣』(鈴木アツト演出)出演。
<コメント>
アートは病気のように「伝染」できるでしょうか? 何を介して、どのような形態で、いかなる経路で広がるでしょうか? アーティストは「キャリア」になることができるのか? 伝染したアートは変異するのか? どんな変異が起きるのか? 時間と共に、また新しい空間でどのように進化するのか? アートが文化を超えて伝染するとき、言語や信仰、アイデンティティの壁を崩すことができるのか? 人間の本質、共通の価値を明らかにできるのか? 世界的な健康危機において、アートの感染はどのように社会に貢献できるのか?…頭の中を巡るたくさんの問いを、この旅を通して探って行きます。
音楽
トーポン・サメージャイ
チェンマイ大学芸術学部タイ芸術専攻卒業。北タイ伝統音楽の演奏家としてワークショップ開催や専門書編集に携わりながら、現代音楽と伝統音楽を融合した音楽を制作する。2019年、米リッチモンド大音楽学部主催のフェスティバル”Contested
Frequencies: Sonic Representation in the Digital Age”でダンサー・振付家のWaewdao
Sirisookと共作のマルチメディア・パフォーマンス「Lanna Dream. The Tourist Gaze in Northern
Thailand」を発表。北タイのラーンナー音楽にまつわるエキゾチシズムを批評する音楽を作曲・演奏した。現在はチェンマイ大芸術文化振興センターでアカデミック・アーツ・オフィサーを務める。
ズン・エイ・ピュー
医師、多分野アーティスト。人々が参加する体験型アート作品とコミュニティにおけるアート・プロジェクトに最も関心を持ち、作品の主なテーマは社会や環境に関する時事問題、中でも子供や高齢者に関する問題である。自身の母国や世界中で起きる様々な危機と向き合い、作品を通して平和、正義、そして心理社会的再建によるレジリエンス向上に取り組む。作品はミャンマー国内だけでなく、多数の国々で収集されている。
これまで数々の国際的なアート・プロジェクトに参加し、東南アジア中の様々なコミュニティや、ヨーロッパの国々とも協働してきた。Mekong Cultural Hub(メコン・カルチュラル・ハブ)フェロー、現在はミャンマー現代アート協会(AMCA)のプロジェクト・マネージャーを務めている。
これまで数々の国際的なアート・プロジェクトに参加し、東南アジア中の様々なコミュニティや、ヨーロッパの国々とも協働してきた。Mekong Cultural Hub(メコン・カルチュラル・ハブ)フェロー、現在はミャンマー現代アート協会(AMCA)のプロジェクト・マネージャーを務めている。
ティラ・ミン
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の共同創立者、芸術監督。TKT劇団は演劇に興味を持つ若者からなり、ミャンマー国内外のアーティストと共同制作を行なっている。TPAMー国際舞台芸術ミーティング(日本、2017)、APAFーアジア舞台芸術人材育成部門(日本、2016)、バンコク国際演劇祭(2011)、ストックホルム芸術祭(2010)など、数多くの国際芸術祭に演出家、パフォーマーとして参加。2009年には米国務省文化人物交流プログラムに参加し、2012年、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ニューヨーク)のフェローシップを受賞。TKTの仲間と共に、劇作家・演出家・俳優として参加型演劇作品を創作し、ミャンマー各地を巡業しながら、現在のコミュニティの状況に問いを投げかけ続けている。
ソウ・モウ・トゥ
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の演者、演劇指導者。ストックホルム芸術祭(2011)やバンコク国際演劇祭(2011)など、数多くの国際芸術祭に演者またはトレーナーとして参加している。また、Empty Space劇場(タイ)が主催したUnder, After and In Betweenプロジェクト(インドネシア)にも参加。ニューヨークのボンド・ストリート・シアターで開催されたTheatre for Civic Engagement(市民的関与のための演劇)プログラムや、TPAM–国際舞台芸術ミーティング(横浜)にも携わった。ミャンマーで多くのコミュニティ演劇を制作し、劇団と共にオリジナルの劇を執筆、上演し続けている。
ニャン・ジー
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の演劇作家。バンコク・スタディ・ツアー・プログラム(2011)、インドネシア演劇祭のUnder, After and In Betweenプロジェクト(2012)、APAF-アジア舞台芸術人材育成部門による国際共同制作ワークショップ(2017)など、多数の国際芸術祭に演者として参加。ミャンマー各地で演劇ワークショップや演劇作品のコンサルタントとしても活動している。
スー・ミャッ・ノウ・ウー
俳優。2017年、19歳の時にトゥクマ・カイーデー・シアターで活動を始める。それ以降、「被抑圧者の演劇」の手法を用いたたくさんの演劇作品に演者として参加し、その手法から派生した様々な種類の演劇(フォーラム・シアター(討論演劇)、イメージ演劇、透明演劇、エデュテインメント)を学ぶ。また、フォーラム・シアターの手法を国中に広める活動を仲間と始め、今では国内各地の大学に普及している。ここ数年、定期的にフォーラム・シアターの上演と指導を行い、現在はデジタルな方法で次世代の表現者たちに知識を伝えている。
ズィン・ピェー・ピェー・ピョー
俳優、ダンサー。ミャンマー国内外のアーティストと共同制作を行うトゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の一員。俳優またはパフォーマーとして、TKTが主催したSNS上のImage Will Tell Youth Campaign(画が物語る、若者の運動)や、カリアナ・ミッタ財団(KMF)が開催したフォーラム・シアター・ワークショップを含む、数多くのイベントに参加している。学生時代は、大学の学園祭でオペラや演劇、ミュージカルや伝統舞踊など、多岐にわたる作品に出演した。
カミズ
アーティスト、アート・セラピスト。20年以上にわたってビジュアルアートの分野で活動し、国内外のアートプロジェクトやワークショップに参加する。アートは誰にでも平和と心の安らぎ(マインドフルネス)をもたらすことができると強く信じており、本人が気づいていなくとも、視点を変えればすべての人間がアーティストであると言う。アートが感情の旅として、人と人との交流、また人が自分自身や他者、そして自然とつながるためのプラットフォームとなることを願っている。作品はリサーチに基づき、手法は絵画やドローイングに限定されない。これまでにミャンマー、日本、マレーシアで4回の個展を開催したほか、多くの国際芸術祭、アートフェア、アーティスト・レジデンシーに参加。グループ展への出展はミャンマー、オーストリア、日本、香港、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど20回以上を数える。近年は表現療法のスペースを設立し、アートとヒーリングのワークショップやプログラムを主催している。
グエン・ハイ・イェン(愛称:レッド)
2015年からHanoi Doclabで動画(moving images)に取り組み始める。短編映画『Summer Siesta: 6th hour counting from dawn』(2017)がFundacion PROA(ブエノスアイレス)とWhite Chapell(ロンドン)で上映。ハノイの独立系出版社AJAR Pressのメンバーでもある。2019年6月、Á Space(ハノイ)でレジデンシーを行い、初の個展「Mùng mung」を開催。2018年からHeritage Spaceで実験的な音楽・映像・パフォーマンスのプログラムを企画している。2019年後半から、コンテンポラリー・ダンスや演劇の制作に取り組み、H2Q Art、MORUA、振付家Ngo Thanh Phuong、Mat Tran Ensemblesなどと協働。2021年には台湾のNational Theater & Concert Hallや東京芸術劇場などの共同プロジェクト、Asia Connection: Producers Campの参加者に選ばれた。
ラム・ヅウィ・フオン(愛称:キム)
ヒップホップダンサー。南部ベトナムのヒップホップクルー、La Differenceの元リーダー。「動き」をベースに、コンテポラリーダンス、パフォーマンスダンスなど、様々な芸術分野を横断して活動。ダンスによって摩訶不思議な力を得るキムは、「トード(蛙)・リズム」という独自のムーブを研究・練習する傍ら、「共に踊る」ことをめぐる様々な概念を探求している。
出演や振付で参加したダンス作品に、ニュージーランド人振付家Ross McCormack作『Method』(ベトナム・サイゴン、2019年)、『L’EGO』(同ハノイ、2020年)、Ngo Thanh Phuong作『X-Project』(同フエ・サイゴン、2021年)等。2022年には、フランス・ロクブリュヌのFestiv’Arts 2 Rueにグッド・モーニング・ベトナム・ブレイキング・チームの一員として参加した他、俳優として主演した映画『Memento Mori: Earth』が釜山国際映画祭のNew Currents部門にノミネートされた。
ディンドン W.S.
演出家。フィジカル・シアターを主眼におくジャカルタの劇団Teater Kubur(墓地劇場)ディレクター。海外でのワークショップやコラボレーションの経験から、精神に新たな意味を見出す作品創作を続ける。社会的現実への強い意識から、誰かにとって「不可能」かもしれないオルタナティブな空間の創出を志向する。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』参加。2008年アジア現代演劇プロジェクト『オン/オフ』(シアタートラム)作・演出。過去5年間の作品に『Instalasi Macet』、『Operasi Bocor』、オランダ・DeltaDuaとの共同制作『Operasi Batavia』、『Ritus Bocor』などがある。
スギヤンティ・アリア二
インドネシア西ジャワ州バンドン出身。2014年、インドネシア芸術文化大学バンドン校(STSIバンドン、現ISBIバンドン)で芸術研究創作(演劇)の修士号を取得。同年、クローラ財団の革新的芸術助成を受け、『マエム・ムンドゥット—スマンカ・パティ』を作・演出・出演。2018年、西ジャワ州のスンダ語演劇祭(FDBS)で最優秀女優賞を受賞した。国際的な活動では、ケアンズを拠点とするオーストララシア演劇センター(CfAT)と協働し『Cultural Cargo – CARGO CLUB: Trading Stories』(カルチュラル・カーゴ—カーゴ・クラブ:物語の貿易)に参加(2015–17)。また2016~19年にかけ、鈴木忠志演出『ディオニュソス』(SCOTとブミ・プルナティ・インドネシアの共同プロジェクト)に出演し、SCOTサマー・シーズン2018、シンガポール国際芸術祭2019(SIFA)、シアター・オリンピックス2019(日本)で公演した。現在は再びCfATとの協働を進めている(2022–23)。
ラウェ・サマガハ
音楽家。ジャカルタのT・ニティア・ASのもとで絵画を学ぶ。2000年に音楽グループ、スンヤを結成。2001年にソロ(別名スラカルタ)で作曲家ヤスダーのもとで作曲技法を学んだ後、ドディ・サティア・EGから作曲技法を学ぶためにバンドンに移住。インドネシア芸術文化大学バンドン校(STSIバンドン、現ISBIバンドン)に入学し、2011年に学位記なしで卒業。その間、2004年にはスラメット・アブドゥル・シュクールからも作曲技法を学んだ。
音楽家・作曲家として世界各地の芸術祭に数多く参加している—ドイツのドナウエッシンゲン音楽祭(2004)、Iwpパキスタン(2006)、Wdfマレーシア・台湾(2008)、ベルギーとオランダのカダンス芸術祭(2009)、ネクスト・トレイス・シンガポール(2015)、ミュージック・ミスティック・フェス・トゥルキ(2015)、ICFアゼルバイジャン(2018)。
ユスティアンシャ・ルスマナ
ジャカルタを拠点に活動する舞台芸術ディレクター、映像作家、ビジュアル・プログラマー。舞台芸術の共同制作のためのオープン・プラットフォーム「テアター・ガンタ」と活動するほか、パフォーマンス研究コレクティブ「コリドー・ミリン(斜めの廊下)」の発足人の一人でもある。作品はインドネシア各地の他、海外でも上演されている。
2017年以来、地域や国をまたがる芸術協働のモデルに関心をもち、これまでインドネシア・ドラマツルギー・カウンシル、APAF-アジア舞台芸術人材育成部門に参加。テラジアでは2022年より活動。分野、地域、メディア、世代を超えた多様なアーティストらと、様々な形で協働しプロジェクトを行っている。2013年と2014年、ジャカルタ演劇祭でジャカルタ・アーツ・カウンシル最優秀演出家賞を2年連続受賞。現在はジャカルタ・アーツ・カウンシル演劇委員とアーカイブ・コレクション委員を務める。