TERA เถระ(テラ・テラ)

タイでは2020年夏、日本とも縁の深い演劇人のナルモン・タマプルックサー(愛称:ゴップ)を中心に、北部の中心都市チェンマイを拠点とするアーティストが集まりテラジアの活動が始まりました。
アーティストたちは、東京での初演版『テラ』を大胆に解体し、タイ仏教やチベット仏教の思想・経典、北タイの伝統文化や音楽、神話、哲学、瞑想、舞踏、児童文学など、死生観にまつわる新たな要素をふんだんに織り込んだ新作『TERA เถระ』を創作。公演はチェンマイの名所ドイ・ステープ国立公園内に位置するパーラート寺院で行われ、観客は演者に導かれながら、山中に広がる境内を屋外から屋内へと進んでいきます。

公演会場・期間

会場:パーラート寺院(チェンマイ)
期間:2020年10月16日〜18日

作品の見どころ

絵師のオカモトシゲルは、ある僧侶に巨大な曼荼羅図の複製を依頼される。年老いた家政婦のヤマダカエは、拾った三毛猫に世話を焼きながら、制作に没頭し次第に曼荼羅の世界に引き込まれていくシゲルを見守る。
エリザベス・コーツワースの子ども向け小説『極楽に行った猫』(1930)に着想のヒントを得ながら、二人が生きる終戦直後の日本から、タイ、インド、チベットまで、時空を超えて様々な登場人物が繰り出す物語の断片。音楽家が観客に108の質問をする「問答セッション」や、会場の寺の住職による読経など、日本版『テラ』の要素も残しながら、タイの人々の信仰・死生観を色濃く反映した作品です。

キャスト・スタッフ

演出:ナルモン・タマプルックサー
出演:ソノコ・プロウ、グラム・タム
音楽:グリット・レカクン、トーポン・サメージャイ
特別出演:ティーラウィット・ジラワッタノ師
ドラマトゥルク:ソムワン・ゲォスフォン博士、グラム・タム
アートディレクション:ナルモン・タマプルックサー
グラフィックデザイン:グラム・タム
舞台監督:パックサラン・ポンハーン、ティパポーン・スントンジャモーン、タンラッタナラム・チープヌラット
プロジェクター操作:ナルモン・タマプルックサー
メイク:タンラッタナラム・チープヌラット
音響:ワサンチャイ・イムオット
照明:A-Plus Light & Sound(シティポン・サイウォンパンヤ、ナット、ブライト)
衣裳:オラタイ・ピクンガモンラット、ミセス・ペン
映像撮影:マーイムスタジオ(スパモーク・シラーラック)
日本語字幕:千徳美穂

Special Thanks to:
ティーラスッポット師(サンガ・チャウォン博士) – パーラート寺院住職
ティーラウィット・ジラワッタノ師 – パーラート寺院
Monk Chatのみなさん
ワラポーン・ワスンタララート – ラチャマンガラピセック図書館(チェンマイ)館長
ラチャマンガラピセック図書館(チェンマイ)警備部
シティポン・サイウォンパンヤ(A-Plus Light & Sound)
サハタムニックチョン財団とイッティサック・レーイットポーンチャイ
セツコ・コーノ(チェンマイ発北タイ日本語情報誌 CHAO「ちゃ~お」)
サイクラン・ジンダス(芸術局)
ソムバット・タパンヤ博士(Peace Culture Foundation)
ノッパマス・シリチュンポン
カンダ・アーツ・アンド・シアター・カンパニー
オラタイ・ピクンガモンラット(レワディカーテン)
アリ・ドクソン

監修:
ブンチュアイ・シリンタロ師(マハーチュラロンコーン・ラージャヴィドゥヤラヤ大学〔チェンマイ〕)
ソムワン・ゲオスフォン博士(チェンマイ大学人文学部)

助成:国際交流基金アジアセンター アジア・市民交流助成
コンセプト:TERASIA

レビュー・劇評

『TERA เถระ』|田中里奈
『TERA เถระ』字幕の裏側から|千徳美穂

『TERA เถระ』オンライン上映会 + TERASIA アーティストトーク

チェンマイでの『TERA เถระ』公演を終えたばかりの2020年10月末、公演期間中に収録したパフォーマンス映像をオンライン配信し、タイと日本のアーティストたちがプロジェクトの現在地を語り合いました。

開催日時:2020年10月30日
助成:国際交流基金アジアセンター アジア・市民交流助成