TERA เถระ(テラ・テラ)

エリザベス・コーツワースの児童小説『天国へ行った猫』(1930年)を原作に、画家のオカモトシゲルと年老いた家政婦のヤマダカエが、戦後間もない日本からタイ、インド、チベットへと時空を超えて旅をする。音楽家が観客に108の質問を投げかける問答や、寺院の僧侶による仏教のお経など、日本の「テラ」の要素はそのままに、タイ人の死生観や信仰を色濃く反映した作品に一新された。初演は、チェンマイのドイ・ステープ国立公園内にあるパラート寺院で行われた。山中のこの境内で、観客は演者に導かれながら門から本堂に向かって移動した。

上演

TERA เถระ(テラ・テラ)

演出:ナルモン・タマプルックサー
出演:ソノコ・プロウ、グラム・タム
音楽:グリット・レカクン、トーポン・サメージャイ
ドラマトゥルク:ソムワン・ゲォスフォン博士、グラム・タム

テクニカルスタッフ: パンチャナサック・ニティウェチャクン
ステージマネジメント: オーガスト・セルケ
翻訳: ディア・アユ・クスマワルダニ
英語編集: オーガスト・セルケ

[公演概要]
会場:スラサール・スナルヨ・アートスペース - Bale Handap + Amphitheater
日時:
2024年1月19日 20:30-22:00


2024年1月20日 16:00-17:30 *アフタートークあり(18:00頃まで)
言語:タイ語(インドネシア語字幕つき)


アーティスト

ナルモン・タマプルックサー (愛称:ゴップ)

Narumol (Kop) Thammapruksa

パフォーマー・演出家・プロデューサー。チェンマイを拠点に、演劇をツールとしてソーシャル・アクティビズムに取り組む。1997年、インドネシア・ニューヨーク・台湾・インドなどの演劇人と「International WOW Company」を設立。World Artist for Tibet、Arts Against War、ニューヨークダンスシアターの「メコンプロジェクト」など、様々な芸術イベントの芸術監督、コーディネーターを務める。野田秀樹作・演出『赤鬼』(97年初演 シアタートラム)出演。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』出演。『モバイル』(2007年 ネセサリーステージ制作 シアタートラム)出演。2014年、劇団印象『匂衣』(鈴木アツト演出)出演。チェンマイ大学マスコミュニケーション学部演劇プログラム講師。

ソノコ・プロウ

Sonoko Prow

演出家、俳優、舞踏ダンサー、自己変革ワークショップ講師。日本・中国・タイのルーツを持ち、タイを拠点に活動する。多彩な技術と舞台上での独特の存在感で、タイ現代演劇界を代表するアーティストの一人に数えられる。Khandha Arts’n Theatre Companyの芸術監督として、舞台公演、ワークショップ、海外カンパニーや国際フェスティバルとの共同制作をリードする。

グラム・タム

Kram Thum (Gig)

仏教学者、グラフィック・デザイナー、インテリア・デザイナー、DJ。デリー大学仏教学部卒。僧侶としてチベットで2年間修行し、ダライ・ラマ法王に学位を授与される。パフォーミングアーツの分野では、1999年にインドネシアとの協働プロジェクトに姉のコップと参加。2009年、高嶺格『Melody Cup』に出演し、日本、タイでのツアーに参加した。

グリット・レカクン

Great Lekakul

バンコクのマヒドン大学音楽学部卒業後、ロンドン大学SOASで博士課程(民族音楽学)を修了。SOAS音楽学部でタイの伝統音楽を教えたのち、現在はチェンマイ大学芸術学部の音楽講師を務める。専門はタイの木管楽器。実験的な音楽に関心があり、2003年からタイの伝統音楽と現代音楽のバンドKorphaiのメンバーとして活動。2004年にはタイの伝統音楽映画「Home Rong」のサウンドトラックを担当。2012年にはASEAN・韓国伝統音楽オーケストラと共演し、2019年には現代舞踊劇「Mahajanaka Dance Drama」英国ツアーで演奏した。

トーポン・サメージャイ

Torpong Samerjai

チェンマイ大学芸術学部タイ芸術専攻卒業。北タイ伝統音楽の演奏家としてワークショップ開催や専門書編集に携わりながら、現代音楽と伝統音楽を融合した音楽を制作する。2019年、米リッチモンド大音楽学部主催のフェスティバル”Contested Frequencies: Sonic Representation in the Digital Age”でダンサー・振付家のWaewdao Sirisookと共作のマルチメディア・パフォーマンス「Lanna Dream. The Tourist Gaze in Northern Thailand」を発表。北タイのラーンナー音楽にまつわるエキゾチシズムを批評する音楽を作曲・演奏した。現在はチェンマイ大芸術文化振興センターでアカデミック・アーツ・オフィサーを務める。