ラウンドテーブル3:
スアテラジアのためのオープンディスカッション

スアテラジアのプログラムの2本目の柱「思考と対話のテーブル」は、2024年10月に行う第2期スアテラジアでも継続します。ジャカルタでのラウンドテーブル1、2の議論の内容を踏まえ、多くのパフォーミングアーティストを輩出し、さまざまな芸術実践と学術研究の交差するISBI(インドネシア芸術文化大学)バンドン校で、学生・教員・一般向けのオープンディスカッションを行います。

ジャカルタとは異なる文化インフラやエコシステムが存在するバンドンで、テラジアの実践や発想を共有し、自由な対話から、第2期スアテラジアのシンポジウムの問いの種を探す場を開きます。

登壇者:
レトノ・ドウィマルワティ博士(ISBIバンドン校 学長)
ファスル・アンショリ(ISBIバンドン校 演劇学科長)
長島確(ドラマトゥルク、東京藝術大学准教授)

モデレーター:
ユスティアンシャ・ルスマナ(テラジア・コレクティブ-インドネシア)

[概要]
- ジャカルタ
会場:ISBI バンドン校 - Studio Teater
日時:2024年1月17日 20:30-22:00
言語:インドネシア語と英語

レトノ・ドウィマルワティ博士

Dr. Retno Dwimarwati

1984年より演劇を学び、バンドンの演劇グループStudiklub Teater BandungやActors Unlimitedに参加。バンドンのASTI(ISBI前身)で演劇教育を受け、1989年にディプロマを取得した後、スラカルタのSTSI(ISI前身)で学士号(1991年)、ガジャマダ大学で修士号(1996年)、パジャジャラン大学で博士号を取得(2014年)。舞台芸術への献身からISBIバンドンの演劇学部の講師となり、さらに同大学の学長に就任。主な著作にThe Elaboration of Goro-Goro in Wayang Play of Theater Koma: A Case Study of Riantiarno’s Play Semar Gugat and Republik Bagong(2016年)、The Artistic Design of Maaf-maaf' by Teater Koma(2015年)などがある。また、DIPA ISBIバンドン助成金(2021年)のもと、ガルト県カルヤサリ村の村落文化振興文書(DPKD)保存調査にも携わる。

ファスル・アンショリ

Fathul Anshori

1970年マジャレンカ生まれ。ISBIバンドン演劇学科長。劇団ACTORS UNLIMITED、NEO Theater Indonesiaの共同創設者であり、それぞれ2000年~2011年、2012年~現在まで演出を行う。1997年にSTSIバンドン(現ISBIバンドン)演劇科で学士号、2011年にITBでビジュアル・アーツ修士号を取得。2000年以来、30以上の演劇作品を演出するほか、メディアや書籍に演劇批評を中心としたアートエッセイを執筆。海外の戯曲の翻訳・翻案も手がけ、Ibu Pemberani dan Anak-anaknya yang Mati(『母なる勇気とその子供たち』ベルトルト・ブレヒト)、Yang Berdiam dalam Marahnya Sunyi(『侵入者』、モーリス・メーテルリンク)、Kembara Kelam(『夜への長い旅』、ユージン・オニール)などをIndrie Setya Lestariと共に上演。また、「SCOTサマーシーズン:アジア演出家フェスティバル2017」(利賀芸術公園、富山県)に、インドネシア代表として参加し、芸術功労賞受賞。また、バンドン市文化賞2021受賞。

長島確(ドラマトゥルク)

Kaku Nagashima

日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、さまざまな演出家や振付家の作品に参加。サミュエル・ベケットをはじめ近現代の劇作家の翻訳も手掛ける。近年は劇場の発想やノウハウをまちに持ち出すことにも興味をもち、アートプロジェクトにも積極的に関わる。2018-20年、フェスティバル/トーキョー(F/T)ディレクター。21-23年、東京芸術祭のディレクターの1人。東京藝術大学にてドラマツルギーとパフォーミングアーツのキュレーションを教える。

ユスティアンシャ・ルスマナ

Yustiansyah Lesmana

ジャカルタを拠点に活動する舞台芸術ディレクター、映像作家、ビジュアル・プログラマー。舞台芸術の共同制作のためのオープン・プラットフォーム「テアター・ガンタ」と活動するほか、パフォーマンス研究コレクティブ「コリドー・ミリン(斜めの廊下)」の発足人の一人でもある。作品はインドネシア各地の他、海外でも上演されている。 2017年以来、地域や国をまたがる芸術協働のモデルに関心をもち、これまでインドネシア・ドラマツルギー・カウンシル、APAF-アジア舞台芸術人材育成部門に参加。テラジアでは2022年より活動。分野、地域、メディア、世代を超えた多様なアーティストらと、様々な形で協働しプロジェクトを行っている。2013年と2014年、ジャカルタ演劇祭でジャカルタ・アーツ・カウンシル最優秀演出家賞を2年連続受賞。現在はジャカルタ・アーツ・カウンシル演劇委員とアーカイブ・コレクション委員を務める。