TERASIA Online Week 2022

2022 ミャンマー

 ミャンマーからは、分野にとらわれない活動を展開するズン・エイ・ピューと、ヤンゴンを拠点に国内外でコミュニティ演劇活動をしているトゥクマ・カイーデー・シアター(「芸術の旅人」の意味)が、「トランジット」にちなんだ新作を発表します。
若い世代とのワークショップを通じ、観客と共に「善行と悪行」「現世と来世」について考えるフォーラム・シアター型の新作演劇『လှည်းဘီးရာများ 轍』を創作します。
 「テラジア オンラインウィーク2022」では、上演映像と、演出家によるビデオメッセージを公開します。

演劇作品『လှည်းဘီးရာများ 轍』

言語:ビルマ語(日本語・英語字幕あり)

プロデューサー:ズン・エイ・ピュー、ソウ・モウ・トゥ
演出・ドラマトゥルク:ティラ・ミン
ワークショップ・ファシリテーター:ズン・エイ・ピュー、ニャン・ジー
出演:ソウ・モウ・トゥ、ニャン・ジー、スー・ミャッ・ノウ・ウー、ズィン・ピェー・ピェー・ピョー
ワークショップ参加者:ヤンゴンの18~25歳

オンライン配信期間

2022年11月4日(金)12:00 〜 11月14日(月)12:00[日本時間]

投げ銭のお願い

会期中、作品映像は無料でご視聴いただけます。
よろしければ、投げ銭にご協力をお願いします。

作品の見どころ

ござにくるまれた四人の死体が、銅鑼の音とともに動き出す。そこは現世と来世の間の「トランジット」。四人は何者で、どこから来て、どこへ行くのか――。
 2022年10月、ヤンゴンの18~25歳を対象に実施したワークショップを基に、現地のアーティストが書き下ろし上演する新作です。キーワードは「因果応報」。フォーラム・シアター形式の上演に観客として招かれるワークショップ参加者は、目の前の「死者」にどう向き合うのか。軍事クーデターから1年半以上が経った今も厳しい状況が続くミャンマーから、若者の生の声を届ける世界初公開作品です。

ディレクターズ・ノート

[出演]
ティラ・ミン

[言語]
ビルマ語(日本語・英語字幕あり)

『လှည်းဘီးရာများ 轍』演出・ドラマトゥルクのティラ・ミンが、作品に込めた想いを話します。

アーティスト

ズン・エイ・ピュー
ズン・エイ・ピュー
Zun Ei Phyu
医師、多分野アーティスト。人々が参加する体験型アート作品とコミュニティにおけるアート・プロジェクトに最も関心を持ち、作品の主なテーマは社会や環境に関する時事問題、中でも子供や高齢者に関する問題である。自身の母国や世界中で起きる様々な危機と向き合い、作品を通して平和、正義、そして心理社会的再建によるレジリエンス向上に取り組む。作品はミャンマー国内だけでなく、多数の国々で収集されている。
これまで数々の国際的なアート・プロジェクトに参加し、東南アジア中の様々なコミュニティや、ヨーロッパの国々とも協働してきた。Mekong Cultural Hub(メコン・カルチュラル・ハブ)フェロー。
ティラ・ミン
ティラ・ミン
Thila Min
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の共同創立者、芸術監督。TKT劇団は演劇に興味を持つ若者からなり、ミャンマー国内外のアーティストと共同制作を行なっている。TPAMー国際舞台芸術ミーティング(日本、2017)、APAFーアジア舞台芸術人材育成部門(日本、2016)、バンコク国際演劇祭(2011)、ストックホルム芸術祭(2010)など、数多くの国際芸術祭に演出家、パフォーマーとして参加。2009年には米国務省文化人物交流プログラムに参加し、2012年、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ニューヨーク)のフェローシップを受賞。TKTの仲間と共に、劇作家・演出家・俳優として参加型演劇作品を創作し、ミャンマー各地を巡業しながら、現在のコミュニティの状況に問いを投げかけ続けている。
ソウ・モウ・トゥ
ソウ・モウ・トゥ
Soe Moe Thu
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の演者、演劇指導者。ストックホルム芸術祭(2011)やバンコク国際演劇祭(2011)など、数多くの国際芸術祭に演者またはトレーナーとして参加している。また、Empty Space劇場(タイ)が主催したUnder, After and In Betweenプロジェクト(インドネシア)にも参加。ニューヨークのボンド・ストリート・シアターで開催されたTheatre for Civic Engagement(市民的関与のための演劇)プログラムや、TPAM–国際舞台芸術ミーティング(横浜)にも携わった。ミャンマーで多くのコミュニティ演劇を制作し、劇団と共にオリジナルの劇を執筆、上演し続けている。
ニャン・ジー
ニャン・ジー
Nyan Gyi
トゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の演劇作家。バンコク・スタディ・ツアー・プログラム(2011)、インドネシア演劇祭のUnder, After and In Betweenプロジェクト(2012)、APAF-アジア舞台芸術人材育成部門による国際共同制作ワークショップ(2017)など、多数の国際芸術祭に演者として参加。ミャンマー各地で演劇ワークショップや演劇作品のコンサルタントとしても活動している。
スー・ミャッ・ノウ・ウー
スー・ミャッ・ノウ・ウー
Su Myat Noe Oo
俳優。2017年、19歳の時にトゥクマ・カイーデー・シアターで活動を始める。それ以降、「被抑圧者の演劇」の手法を用いたたくさんの演劇作品に演者として参加し、その手法から派生した様々な種類の演劇(フォーラム・シアター(討論演劇)、イメージ演劇、透明演劇、エデュテインメント)を学ぶ。また、フォーラム・シアターの手法を国中に広める活動を仲間と始め、今では国内各地の大学に普及している。ここ数年、定期的にフォーラム・シアターの上演と指導を行い、現在はデジタルな方法で次世代の表現者たちに知識を伝えている。
ズィン・ピェー・ピェー・ピョー
ズィン・ピェー・ピェー・ピョー
Zin Pyae Pyae Phyo
俳優、ダンサー。ミャンマー国内外のアーティストと共同制作を行うトゥクマ・カイーデー・シアター(TKT)の一員。俳優またはパフォーマーとして、TKTが主催したSNS上のImage Will Tell Youth Campaign(画が物語る、若者の運動)や、カリアナ・ミッタ財団(KMF)が開催したフォーラム・シアター・ワークショップを含む、数多くのイベントに参加している。学生時代は、大学の学園祭でオペラや演劇、ミュージカルや伝統舞踊など、多岐にわたる作品に出演した。