TERASIA Online Week 2022

これまでのテラジア:タイ・日本・ミャンマー

 2020年から2022年までに創作・発表されてきたテラジアの3つの作品を、「テラジア オンラインウィーク2022」の会期中に一挙公開します。

タイ

『TERA เถระ(テラ・テラ)』(2020)

 タイでは2020年夏、日本とも縁の深い演劇人のナルモン・タマプルックサー(愛称:ゴップ)を中心に、北部の中心都市チェンマイを拠点とするアーティストが集まりテラジアの活動が始まりました。
 アーティストたちは、東京での初演版『テラ』を大胆に解体し、タイ仏教やチベット仏教の思想・経典、北タイの伝統文化や音楽のほか、神話、哲学、瞑想、舞踏、児童文学など、死生観にまつわる新たな要素をふんだんに織り込んだ新作『TERA เถระ(テラ・テラ)』を創作。公演はチェンマイの名所ドイ・ステープ国立公園内に位置するパーラート寺院で行われ、観客は演者に導かれながら、山中に広がる境内を屋外から屋内へと進んでいきます。
公演会場:パーラート寺院(チェンマイ)
公演期間:2020年10月16日~18日
上映時間:83分
言語:タイ語(日本語・英語字幕あり)

オンライン配信期間

2022年11月4日(金)12:00 〜 11月14日(月)12:00[日本時間]

投げ銭のお願い

会期中、作品映像は無料でご視聴いただけます。
よろしければ、投げ銭にご協力をお願いします。

作品の見どころ

 絵師のオカモトシゲルは、ある僧侶に巨大な曼荼羅図の複製を依頼される。年老いた家政婦のヤマダカエは、拾った三毛猫に世話を焼きながら、制作に没頭し次第に曼荼羅の世界に引き込まれていくシゲルを見守る。
 エリザベス・コーツワースの子ども向け小説『極楽に行った猫』(1930)に着想のヒントを得ながら、二人が生きる終戦直後の日本から、タイ、インド、チベットまで、時空を超えて様々な登場人物が繰り出す物語の断片。音楽家が観客に108の質問をする「問答セッション」や、会場の寺の住職による読経など、日本版『テラ』の要素も残しながら、タイの人々の信仰・死生観を色濃く反映した作品です。

日本

『テラ 京都編』(2021)

 日本のメンバーは、2018年に東京の浄土宗・西方寺で初演した演劇作品『テラ』をテラジアの一環としてアップデートし、『テラ 京都編』を創作。2021年3月に、京都の臨済宗・興聖寺で上演しました。2つの地域と2つの宗派のはざまを3年という時間をかけてリアルに移動しながら、極楽から地獄まで、現代日本に生きるわたしたちの信仰観を探る旅をお届けします。
公演会場:臨済宗 興聖寺 涅槃堂
公演期間:2021年3月26日~28日
上映時間:67分
言語:日本語(英語字幕あり)

オンライン配信期間

2022年11月4日(金)12:00 〜 11月14日(月)12:00[日本時間]

投げ銭のお願い

会期中、作品映像は無料でご視聴いただけます。
よろしければ、投げ銭にご協力をお願いします。

作品の見どころ

 主人公の京極光子は、お寺の娘。地蔵菩薩が祀られる涅槃堂で、長い長い詩を語りながら過ごす彼女は、うっかり地獄を旅することに。
 三好十郎の詩劇『水仙と木魚―一少女の歌える―』(1957)を出発点に、さまざまな日本文学――吉岡実の詩「僧侶」(1958)、安倍公房の小説『カンガルー・ノート』(1991)、富岡多恵子の詩「物語の明くる日」(1961)、そして会場となった臨済宗の興聖寺に伝わる聖典やYouTube法話を織り交ぜた、多種多様なイメージが繰り広げる「精神性のスペクタクル」です。

ミャンマー

『Masking/Unmasking Death 死をマスクする/仮面を剥がす』(2022) 3Dアーカイブ

 2022年5月、テラジアのメンバーでありミャンマー出身のアーティスト カミズの展覧会「Masking/Unmasking Death 死をマスクする/仮面を剥がす」を東京藝術大学大学美術館陳列館にて開催しました。
 カミズは2021年2月のクーデター勃発以降、犠牲になった人々の顔をかたどった紙製のマスクを制作してきました。展覧会では100点のマスクとそのモデルになった故人の情報を含むインスタレーションを世界初公開し、10日間で2000名を越える来場者から多くの反響がありました。
 東京藝術大学デジタルツインでは、展覧会のmatterportを用いた3Dアーカイブを公開しています。

アーカイブ制作協力:東京藝大アートDX