TERASIA Online Week 2022

オープニング

「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」は、国境をまたぐ物理的な移動が難しい時代に、芸術の国際協働創作は可能か、という問いとともに、日本・タイ・ミャンマー・インドネシアのアーティストが集まり2020年5月に始動しました。翌2021年2月にはベトナムのアーティストが参加しました。
 2022年9月、各地からメンバー7名がインドネシア・ジャカルタに集合。来年開催される芸術祭「Sua TERASIA 2023」に向けて、8日間にわたりミーティングを重ね、パフォーマンス・展示・シンポジウム会場の視察を行いました。
 オープニングトークでは、インドネシアの滞在報告を交えながら、「テラジア オンラインウィーク2022+オンサイト」の見どころを紹介します。

トーク

オープニング:
トランジット 旅の軌跡

[登壇]
渡辺真帆[日本]、ナルモン・タマプルックサー(愛称:ゴップ)[タイ]、ズン・エイ・ピュー[ミャンマー]、グエン・ハイ・イェン(愛称:レッド)[ベトナム]、ディンドン W.S.[インドネシア]

[言語]
英語、インドネシア語(日本語字幕あり)

登壇者

渡辺真帆
渡辺真帆
Maho Watanabe
通訳者・翻訳者、ドラマトゥルク。東京外国語大学アラビア語専攻卒業。パレスチナ・ヨルダン川西岸地区留学中に演劇と出会い、坂田ゆかり演出『羅生門|藪の中』に通訳・翻訳で参加。以降、舞台芸術の国際共同制作や来日公演、ワークショップに通訳・字幕翻訳・コーディネート等で関わる。ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック』の翻訳で第12回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。中東・アジア各地に赴きながら、芸術、メディア、国際協力など多分野の人と言葉と協働する。『テラ』初演(2018)からドラマトゥルクで参加し、2020年5月、タイのゴップらと共に「テラジア」発足にかかわる。2022年度ACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)フェロー。
ナルモン・タマプルックサー
ナルモン・タマプルックサー
(愛称:ゴップ)
Narumol (Kop) Thammapruksa
パフォーマー・演出家・プロデューサー。チェンマイを拠点に、演劇をツールとしてソーシャル・アクティビズムに取り組む。1997年、インドネシア・ニューヨーク・台湾・インドなどの演劇人と「International WOW Company」を設立。World Artist for Tibet、Arts Against War、ニューヨークダンスシアターの「メコンプロジェクト」など、様々な芸術イベントの芸術監督、コーディネーターを務める。野田秀樹作・演出『赤鬼』(97年初演 シアタートラム)出演。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』出演。『モバイル』(2007年 ネセサリーステージ制作 シアタートラム)出演。2014年、劇団印象『匂衣』(鈴木アツト演出)出演。チェンマイ大学マスコミュニケーション学部演劇プログラム講師。
ズン・エイ・ピュー
ズン・エイ・ピュー
Zun Ei Phyu
医師、多分野アーティスト。人々が参加する体験型アート作品とコミュニティにおけるアート・プロジェクトに最も関心を持ち、作品の主なテーマは社会や環境に関する時事問題、中でも子供や高齢者に関する問題である。自身の母国や世界中で起きる様々な危機と向き合い、作品を通して平和、正義、そして心理社会的再建によるレジリエンス向上に取り組む。作品はミャンマー国内だけでなく、多数の国々で収集されている。
これまで数々の国際的なアート・プロジェクトに参加し、東南アジア中の様々なコミュニティや、ヨーロッパの国々とも協働してきた。Mekong Cultural Hub(メコン・カルチュラル・ハブ)フェロー。
グエン・ハイ・イェン
グエン・ハイ・イェン(愛称:レッド)
Nguyễn Hải Yến (Red)
ベトナム北東部ランソン出身のビデオ・アーティスト、インディペンデント・アート・プロデューサー。多分野にまたがるアプローチで、異なる芸術表現や、フィクションとドキュメンタリー、生と死、人間と動物、生き物と霊など、様々な境界のゆらぎに焦点を当てる。人の記憶と思考の「しぐさ」を問うことで、その人の風景を映し出すことを試みている。Hanoi DocLabで映像製作を始め、作品はSeashorts Film Festival(マレーシア)、Fundacion PROA(アルゼンチン)、White Chapell Gallery(イギリス)、ARKIPEL(インドネシア)、Fifth Wall Fest(フィリピン)などで上映。ハノイの独立系出版社 AJAR Pressや、アートスペース Heritage Spaceで実験的な音楽・映像・パフォーマンスの企画制作に携わった後、本格的にプロデュース業を開始し、H2Q Dance Company、Kinergie Studio、Mat Tran Ensemble、振付家のNgo Thanh Phuongのダンス企画の他、アーティスト Giang Nguyenの展覧会をプロデュースした。2020年、ホイアンに次世代のアート実践者のためのレジデンシー、MORUAを共同設立。2021~2022年は、台湾のNational Theater & Concert Hallや東京芸術劇場などの共同プロジェクト、Asia Connection: Producers Campに参加している。
ディンドン W.S.
ディンドン W.S.
Dindon W.S.
演出家。フィジカル・シアターを主眼におくジャカルタの劇団Teater Kubur(墓地劇場)ディレクター。海外でのワークショップやコラボレーションの経験から、精神に新たな意味を見出す作品創作を続ける。社会的現実への強い意識から、誰かにとって「不可能」かもしれないオルタナティブな空間の創出を志向する。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』参加。2008年アジア現代演劇プロジェクト『オン/オフ』(シアタートラム)作・演出。