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オープニング

 「テラジア|隔離の時代を旅する演劇」は、国境をまたぐ物理的な移動が難しい時代に、芸術の国際協働創作は可能か、という問いとともに、日本・タイ・ミャンマー・インドネシアのアーティストが集まり2020年5月に始動しました。
 2021年2月にはベトナムのアーティストが加わりましたが、プロジェクト開始から1年半近くが経ち、各参加チームを取り巻く環境は大きく変化しています。
 感染症や政変など様々な影響を受けながら、アーティストたちはそれぞれの場所で、どんなことを考え、何をしてきたのか。プロジェクトの現在地を共有し、「テラジア オンラインウィーク2021」の見どころを紹介します。

トーク

オープニング:
隔離の時代を旅するそれぞれの現在地

[開催日時]
2021年11月19日(金)21:00~22:30[日本時間]

[登壇]
渡辺真帆[日本]、ナルモン・タマプルックサー(愛称:ゴップ)[タイ]、カミズ[ミャンマー]、グエン・ハイ・イェン(愛称:レッド)[ベトナム]

[モデレーター]
田中里奈(興行研究者/明治大学助教)

[言語]
英語(日本語逐次通訳あり)

オンライン配信期間

2021年11月19日(金)21:00以降、期間の定めなく公開

見どころ

 2020年10月、テラジアの創作第1弾として、タイのアーティストたちがチェンマイで『TERA เถระ』を上演。2021年3月には、テラジアの原点となった東京初演『テラ』を制作した日本のメンバーが3年半ぶりの新作『テラ 京都編』を上演しました。ミャンマーとベトナムでも2022年に現地のアーティストによる新作発表を予定しており、テラジアプロジェクト全体としては、2023年に「テラジアサミット in インドネシア」を開催することが現時点での旅の目的地です。
 オープニングトークでは、10日間の「テラジア オンラインウィーク2021」の道案内として、興行研究者の田中里奈さんをモデレーターに、日本、タイ、ベトナム、ミャンマーのメンバーから各1名が、それぞれの場所での活動を共有します。

登壇者

渡辺真帆
Maho Watanabe
通訳者・翻訳者、ドラマトゥルク。東京外国語大学アラビア語専攻卒業。パレスチナ・ヨルダン川西岸地区留学中に演劇と出会い、坂田ゆかり演出『羅生門|藪の中』に通訳・翻訳で参加。以降、舞台芸術の国際共同制作や来日公演、ワークショップに通訳・字幕翻訳・コーディネート等で関わる。ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック』の翻訳で第12回小田島雄志・翻訳戯曲賞受賞。中東・アジア各地に赴きながら、芸術、メディア、国際協力など多分野の人と言葉と協働する。『テラ』初演(2018)からドラマトゥルクで参加し、2020年5月、タイのゴップらと共に「テラジア」発足にかかわる。
ナルモン・タマプルックサー
(愛称:ゴップ)
Narumol (Kop) Thammapruksa
パフォーマー・演出家・プロデューサー。チェンマイを拠点に、演劇をツールとしてソーシャル・アクティビズムに取り組む。1997年、インドネシア・ニューヨーク・台湾・インドなどの演劇人と「International WOW Company」を設立。World Artist for Tibet、Arts Against War、ニューヨークダンスシアターの「メコンプロジェクト」など、様々な芸術イベントの芸術監督、コーディネーターを務める。野田秀樹作・演出『赤鬼』(97年初演 シアタートラム)出演。2005年アジア現代演劇コラボレーション『ホテル・グランドアジア』出演。『モバイル』(2007年 ネセサリーステージ制作 シアタートラム)出演。2014年、劇団印象『匂衣』(鈴木アツト演出)出演。
カミズ
Kamizu
アーティスト、アート・セラピスト。20年以上にわたってビジュアルアートの分野で活動し、国内外のアートプロジェクトやワークショップに参加する。アートは誰にでも平和と心の安らぎ(マインドフルネス)をもたらすことができると強く信じており、本人が気づいていなくとも、視点を変えればすべての人間がアーティストであると言う。アートが感情の旅として、人と人との交流、また人が自分自身や他者、そして自然とつながるためのプラットフォームとなることを願っている。作品はリサーチに基づき、手法は絵画やドローイングに限定されない。これまでにミャンマー、日本、マレーシアで4回の個展を開催したほか、多くの国際芸術祭、アートフェア、アーティスト・レジデンシーに参加。マレーシア、ミャンマー、カンボジア、インドネシア、フィリピンの5カ国の芸術文化プロジェクトSEA*5の創設メンバーでもある。また、ミャンマー、オーストリア、日本、香港、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールで開催された20以上のグループ展に参加。近年は表現療法のスペースを設立し、アートとヒーリングのワークショップやプログラムを主催している。
グエン・ハイ・イェン(愛称:レッド)
Nguyen Hai Yen (Red)
2015年からHanoi Doclabで動画(moving images)に取り組み始める。短編映画『Summer Siesta: 6th hour counting from dawn』(2017)がFundacion PROA(ブエノスアイレス)とWhite Chapell(ロンドン)で上映。ハノイの独立系出版社AJAR Pressのメンバーでもある。2019年6月、Á Space(ハノイ)でレジデンシーを行い、初の個展「Mùng mung」を開催。2018年からHeritage Spaceで実験的な音楽・映像・パフォーマンスのプログラムを企画している。2019年後半から、コンテンポラリー・ダンスや演劇の制作に取り組み、H2Q Art、MORUA、振付家Ngo Thanh Phuong、Mat Tran Ensemblesなどと協働。2021年には台湾のNational Theater & Concert Hallや東京芸術劇場などの共同プロジェクト、Asia Connection: Producers Campの参加者に選ばれた。
田中里奈
Rina Tanaka
興行研究者、批評家。明治大学国際日本学研究科博士課程修了。博士(国際日本学)。2017年度オーストリア国立音楽大学音楽社会学研究所招聘研究員。2019年、International Federation for Theatre Research, Helsinki Prize受賞。2020年より明治大学国際日本学部助教。最新の論文は「ミュージカルの変異と生存戦略―『マリー・アントワネット』の興行史をめぐって―」(『演劇学論集』71、日本演劇学会)。